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SUMMER BLACK

黒が気になり始めたのは、去年、葉山で素敵な女性に出会ったからだ。
真夏の暑い日に、陽に焼けたその女性は麻の袖のない黒いドレスを着て、つばの広い黒い帽子を目深く被っていた。その女性とドレスの黒は、暑さもその周りにある色とりどりのものすべてを吸収しながら、静かに佇んでいた。
夏のエネルギー、淡い期待、流れる時間、不快な湿度さえも、陽に焼けた皮膚に浸透しているようでその場を異次元的な魅力にしていた。
黒も色々な黒がある。漆黒と言われる黒。墨色の黒。少し色褪せした黒。
グレィッシュな黒。大島紬の泥染めの黒。
すべてを吸収してしまう色、黒。そこからあらためて生まれてくる綺麗な色たち。夜明けから陽が昇り、空と海の色が変化していく。また、あの夏が来るね。(ht)

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